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行政書士とM&A・事業承継

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私は、29歳で政治学の博士号を取り、大学講師を経て、2003年に行政書士登録をしました。今年で業歴19年目に入りました。この間、行政書士法人の共同経営を12年いたしました。また、ベンチャーキャピタルの法務部に在職した経験がございます。現在は金融の街、日本橋兜町で事務所を営んでおります。

ベンチャー企業や中小零細企業は、総じて営業や製造が主力で、大企業のように総務部、法務部等の管理部門を充実させる余裕はなく、私は、普段から、そうした企業の契約書、定款変更等、書類周りをサポートしています。

また、ベンチャーキャピタル出身ということもあり、例えば、合同会社の社員権の私募・自己募集の契約書の起案などの依頼を受けることがあります。そして、自身も陽明開合同会社を設立し、M&Aや資本業務提携のアドバイザリー業務もさせていただいております。

さて、行政書士は、とても面白い資格者で、士業のなかでも、他士業の業務以外の全てを業務範囲とします。弁護士はオールマイティで別格ですが、行政書士は、それに次ぐ、業務範囲を有します。また、行政書士は、さまざまな業界のサラリーマン出身者をはじめそれぞれの背景には非常にバラエティがあり、専門性も本当に人それぞれです。このため、同業者は決して商売敵ではなく、比較的仲が良く、連携が取りやすい。そして、業務範囲が広いので、他士業との接点も多い。そこで、他士業ともとてもよく連携します。

M&Aでいうなら、法務DDは弁護士、税務DDは税理士ですが、M&A、事業承継などに携る行政書士は皆信頼できる他士業を確保していると思います。これを別の視点で見ると、事案毎に、座組みができる分、日常の経営コストは抑えられています。

DDに言及しましたので、行政書士との関連でいいますと、業種により許認可等の営業ライセンスは必要不可欠ですが、これら許認可等がM&A等により使えなくなっては、一大事です。また、許認可等だけを目的とするM&Aは、監督官庁がとても嫌う場合もあります。このため、「許認可DD」が必要となるケースがあるでしょう。行政書士はこの許認可のエキスパートです。行政とは、別言すると公共政策のPDCAであり、許認可等はその発露の1つといえます。行政書士は普段から許認可等に携わっています。まさに、公共政策のファシリテーターと言っても過言ではありせん。この特徴は、意外と、M&Aに役に立つと思います。

そして、何より、行政書士は、士業の中で最もアクセスしやすい存在という特徴があります。他士業が大学病院の「専門医」なら、行政書士は「町医者」といえるでしょう。私たちは、必要があれば、いつでも「専門医」にかかることを勧めます。私も、決して、仕事を独り占めにしませんし、できません。依頼者の利益を考え、餅は餅屋を徹底しています。

陽明開合同会社ではM&Aや資本業務提携等のアドバイザリーとして、陽明開行政書士事務所ではM&A等の書類周りから「許認可DD」までサポートできます。そして、長年のキャリアにより、同業者、他士業とのネットワークも充実しています。

M&Aには売り手、買い手があります。売り手は、資金調達や赤字の帳消し等が主な目的の1つでしょう。買い手にとっては、見合う投資かどうかが重要ですが、あくまで、投資は自己責任。そのために、アドバイザリーや士業等のサポートを受け、彼らを自らの責任において行う投資判断の補助者とする需要があるのです。士業は、平時も顧問として、経営者の相談相手にもなりますので、普段から密な関係を築いていれば、M&Aの時には、即戦力になると思います。当然、この話は売り手側にとっても、当てはまります。M&Aはベンチャー企業の出口戦略としてIPOにも比肩できると思いますし、コロナ禍における赤字企業の撤退戦略にも有効です。

かつて、私は、台湾に留学し、日本に帰国後、大学で、政治学の他、中国語を教授していました。そのキャリアを活かし、華人、華僑の方の対日投資などにも、つまり、クロスボーダーのM&A等にも尽力できればと思っております。もちろん、行政書士ですから、「公共政策ファシリテーター」としての自覚を持って、業務に取り組むつもりです。

コロナ禍が中小零細企業に打撃を与えています。しかし、赤字でもM&Aができる場合があります。「廃業するなら、売ってくれ」というケースもあるので、まずは、気軽に専門家に相談してはいかがでしょうか。

全国行政書士M&A関連業務懇談会(Facebook上のグループ)

※ 行政書士の先生方限定の懇談会です。

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